2005年06月24日

戦えよ、難破する前に

タイトル:死ぬには遅すぎる
著  者:クリストファー・ムーア
出版社 :講談社文庫

タイのバンコクを拠点に活動する私立探偵カルヴィノを主人公とするハードボイルド。ユニークなミステリーを探している人におすすめ。

それにしても、どうして欧米人の男というのはアジアで難破して動けなくなってしまうのか(もっとも、日本人も相当多いようですが)。きっと魅力があるのでしょうね、物価の安さ、女の安さ、愛の安さ。

先進国というのはさまざまな側面で格差が見えやすくなっているから、争いたくないというより、負けた姿を見られたくないというニーズが生まれたのかも。その行き先が東南アジアなのかも。でも、勝とうが負けようが、女にとって大切なのは戦う男の懸命な姿なのだけれど。だから、愛人にされた女はみんな不幸そうで、完全あきらめモード。

アジア人の女を愛人にして、とりあえず周りにいるアジア人より上だぜ、と満足している白人男の姿は、ぞっとするほど醜い(どうも冷静になれない。ローマ・カソリックが作り上げた「白人・男・上位主義」の無意識な視点を感じ取ってしまっているよう)。

主人公をはじめ帰れない男たちがうようよ。その姿は、波に洗われ朽ちていく難破船そのもの。恋人の日本人女性、秘書のタイ人女性を彼なりに理解しているつもりなのだけれど…。その理解はいまだステレオ・タイプの範疇(基本的に理解力なさすぎ)。

以上、ちっともおすすめしていない内容になってしまった。

ストーリーは、ニューヨーク育ちの元弁護士が、UNTAC統治下のカンボジアで人探しをするというもので、ミステリーとしては趣向が変わっておもしろい。シリーズで、「最後の儀式」★★★がある。タイの風情を生かした趣向はなかなか。

おすすめ星(五段階)★★★
posted by gsks at 01:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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