2005年05月12日

“美女で天才”しかもサイコパスのハッカー!

タイトル:氷の天使
著  者:キャロル・オコンネル
出版社 :創元推理文庫

元ストリート・チュルドレンで天才的な頭脳を持つ、美貌のマロリー。でも、その心は善悪を判断できないサイコパスにして、ハッカー。それなのに、養父がニューヨーク市警の警視だったことから、自分も警官。というハチャメチャな設定。

文章はわかりにくく、紗のベールを何枚も通して景色を眺めているよう(あえて、そういう文体を採用しているらしいが)。そこで描き出されるマロリーの姿は魅惑的、事件の謎(老女連続殺人を追っていたマロリーの養父まで殺されてしまった)よりもずっと深い謎を秘めた主人公。なぜ老女ばかりが次々と殺されていくのか、唯々諾々と犯人におびき出されていくのか?その謎に魅せられ、事件を追うマロリー。読み進めるほどに、物語世界に引きずり込まれる、すごいパワーのある作品。

でも、美しくなければ、周囲に愛されないし、助けてもらえないのはミステリーならずとも人生の真実(らしい、あまり認めたかないが)。はっきり言って、本当に人の気持ちがわからなくて人に愛されるものなの?とちょっと意地悪く考えたくもなる…。

1作目の「氷の天使」と2作目の「アマンダの影」★★★★はもともと竹書房から「マロリーの神託」「二つの影」として出版されたもの。創元推理文庫に移って再出版され、さらに「死のオブジェ」★★★★「天使の帰郷」★★★★と続く。事件の謎とともに、なぜマロリーがストリート・チュルドレンにならなければいけなかったのかというマロリー個人の謎もシリーズとともに進展し、「天使の帰郷」で明らかとなる。

オコンネルはとにかくすごい。というか、比類なき心のあり方を表現できる、オリジナリティの高い作家。他に作品は、「クリスマスに少女は還る」★★★★★がある。おぞましい変質者に誘拐された二人の少女のサバイバルストーリー。文句なしの傑作、最後に体が震えるほどの感動が待ち受ける。

おすすめ星(5段階)★★★★

posted by gsks at 12:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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